ふたりはふたりにしかわからない理由で生きていた
ふたりはふたりの持ち寄った大切な物に囲まれて
ふたりはふたりしか知らないレシピで食事を済ませた
ふたりはふたりの出会った偶然を当然信じた
しかし別々の夢をよるになると見てしまうのは
ある種純粋な共鳴の乱反射みたいなものであって
それくらいはいいだろう
ふたりはふたりにしか理解できない言葉で話し
ふたりはふたりにしか読み取れない顔で笑った
ふたりはふたりの秘密を2月の革命と名付けて
ふたりはふたり以外の全てを拒絶し始めた
しかし別々の夢をよるになると見てしまうのは
ある種純粋な共鳴の乱反射みたいなものであって
それくらいはいいだろう
ふたりはうつろう季節にも気づかないまま
ふたりは化石のような心を磨き続けた
ふたりは崩れゆく顔を見つめあって
ふたりは工夫をこらしたキスを重ねた
ふたりは眠る前に小さなお祈りを捧げた
ふたりは同じ夢を見るという完璧を求めた
ふたりはいつ果てるとも知れぬ夜を恨み始め
ふたりはある日静寂の暮らしに軋む音を聞いた
しかし別々の夢をよるになると見てしまうのは
ある種純粋な共鳴の乱反射みたいなものであって
それくらいはいいだろう
しかし別々の夢を夜になると見てしまう矛盾に
深く悩み過ぎたふたりの出した唯一の方法は
夢の中で生きることだった
遠雷の鳴る夜にふたりは初めて傷つけあった
暗闇のナイフは差し込む窓明かりに時折光り
悲しみとか痛みとかそんな陳腐な感情を越えて
神聖な儀式の様にその作業は丁寧におこなわれた
ようやく膝を落とした女の後に男も崩れ落ちて
無言の微笑みを口元にひっそりとしっかりと浮かべながら
赤く暖かい血の海で丸まって手をつないで待ってる
薄れゆく意識の中素晴しい未来の到来を予感しながら
Liric 目を閉じることを忘れてしまった/サトウヨシヤ |
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