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今聞いた事

10代から20代前半の頃(正確に言えば高校を卒業して音響の専門学校を夏休みでドロップアウトした後の数年間)よく遊んだ女の子がいた。

僕は大型ホテルの大道具のアルバイトをしながら音楽を自分なりに真剣かつ見た目適当にやっていた。
彼女との出会いのいきさつは今となっては不明だ。
僕のバンドを手伝ってもらっていた年上のギタリストがどこかから連れて来たか、僕の中学時代の友達が連れてきたのか、どうにも思い出せない。

でもそんなことはどうでもいい。
とにかく18歳の僕はまだ中学生だった彼女と知り合ったのだ。

彼女は小柄でとてもかわいい笑い方をした。
そのくせ変に大人びて当然のようにすれていた。
飲むと笑うか泣くかのどちらかで昼間に電話すると大概は落ち込んでいた。
何かをつかみたくて結局高校も行かず僕たちとブラブラしていた。
それはとても良くある光景だった。
意味もなく集まり朝方まで音楽を聴いたりミュージックビデオを観ながら、限界以上に酒を飲み意識を失い、狭い部屋で重なり合うように眠る。遅い昼に体力のある者から目を覚ましインスタントラーメンなんかを作ってみんなで食べる。
そういうことを繰り返すことが楽しかったし、ロックな生き方だとみんな思っていた。

彼女はとりわけジャニスジョップリンが好きだった。
サザンコンフォートをあおり、ほとばしる女のメッセージを唄うブルースシンガーだ。
そして当然のように彼女はリスナーの立場から自らが唄う立場へ歩いていった。
僕はその頃になると彼女とも疎遠になった。
だから彼女の唄は結局一度も聴いていない。
それから数年後、ライブハウスで偶然彼女と会った。
昔より少しだけ声がハスキーになっていた彼女の声と行動はあきらかにジャニスへ近づいていた。
それから10年以上会っていない。
それでも彼女の電話番号はいつも僕の新しいアドレス帳に入っていた。
携帯電話を持つようになってからも入れておいた。
サ行の人は数が多いので嫌でも目に付く。
そのたび思い出した。
まだ携帯なんてなかった時代だから実家の電話番号だ。

彼女が少し前に自殺をしたと今日聞いた。
いろいろな人がいろいろな理由で死んでいく。
僕はそれを認識する。
そして振り分けられる。
このようにどうしても書いておきたいことから、テレビ画面からの情報を右から左へ流してしまうことまで。
その幅広く滑空する振り子をどうにか出来なかったのかと自問自答する事が、残された者の血と肉と成り得るのだとすれば、今後僕は運命なんて言葉を信じなくてもいいような気がする。
死者の上に成り立つ自分を忘れてはいけない。
運命とはそんなに簡単な話しでは無い。
形はあるようで無いのだ。

忘れてはいけない。

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