家の裏に大きな図書館とそれに隣接した広大な空き地がある。
2,3年前からその空き地が図書館と一体化した公園になると噂されていた。
ここ1年くらい前からその噂は真実へと変わったようで、
住民と区役所が話し合いより良い場所へするための会議が開かれていると言う。
3ヶ月に1枚、ポストにそのプロセスが書かれた紙が投げ込まれた。
最初はいろんな案が出ていてカフェなんかもあったりして、
入札とかあったら参加してやろうかと本気で思った。
まぁしかし飲食店なんかあるとゴミが出るし、
借りた本が汚れるとかの理由で無くなり(そうなると思った)
結局、図書館からスロープで行き来できる芝生と池の公園になったようだ。
僕は本を手元に置いておきたい派なのであまり図書館は利用しないが、
たまに開かれる小説家や詩人の展覧会には顔を出したり、
とても自分じゃ買えないような分厚いデザイン本とか建築本は図書館で眺めたりする。
あのシンとした独特の雰囲気は世界共通なのだろうか。
以前ロンドンに行った時、公園のあり方に驚いた。
代々木公園クラスの公園がいたるところに点在し町と溶け合っていた。
ベンチにいるとリスやらガチョウが餌をねだる。
毎朝近くの公園のカフェでカプチーノを飲んだ。
店のおばちゃんと仲良くなり帰国する時に、持参した自分のCDをあげた。
「ビートルズみたいになれるといいね」と言われた。
辟易する春の井の頭公園も
真冬になるとその影もなく
ただ訪れる者を招き入れる
体力が確実に無くなっている木々は静かに
下世話な春に備え
まばらなボートは水面を揺らす
愛を持って接した若者に言う。
オレが公園に住むようになったら助けてくれ、それが恩返しだよ、と。
初デートで公園に行った時、大きな池を眺めながら僕は彼女にウソをついた。
この公園の池は日本の裏側の南米の池とつながっているんだ、
それは科学者が水の成分を徹底的に調べ上げ判明した事実なのだ、と。
女の子は驚き感動していた。
うまいことにアヒルやら野良猫が僕の足元だけに寄ってきて、
勝手に動物が寄ってくるいい人っぽい印象をも与えた。
帰りのイセヤの焼鳥はまずかったが、まずまずの成果だった。
その頃、公園という曲を書いた。
オレンジ色の電車に乗って、その時うまくいった彼女と公園に行くだけの曲だ。
裏の公園はまだ出来ていない。
今思えばやはりおいしいコーヒーくらいだす店があってもよかったのにと、
どうにもならない地団駄を踏む。
節度ある意識を全員がしっかり持って好き勝手にやれる国が理想だ。
きっと裏の公園はこの国を象徴するだろう。
冬が来る。
SANBUN |
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